身代わり王女の禁断の恋
ハールはアメリーを優しく抱き上げてバスケットから取り出した。

「抱いてみるかい?」

「いいの?」

ハールはアメリーを私の手に乗せてくれる。

ミィ〜

「柔らかい…
ほんと、かわいい。」

「だろ?
フルーナならそう言うと思った。」

私たちは、草はらを駆け回り、バッタにじゃれるアメリーを眺めて過ごした。

遊び疲れたアメリーが眠ってしまうと、ハールはアメリーの横で草はらに寝そべってみせる。

「フルーナもおいで。
草の香りが気持ちいいよ。」

「………でも… 」

草はらに寝そべるなんて…

私がためらっていると、ハールは笑って言った。

「こんなお行儀の悪いこと、王女殿下は
できない?」

「そ、そういう訳じゃ… 」

私は思い切って、アメリーを挟んで隣に寝そべってみる。

「っ! ほんと! 草はらの匂いがする。」

私が言うと、ハールは嬉しそうに微笑んだ。

右手を肘枕にしてこちらを向いたハールは、左手で私の頬に触れた。
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