身代わり王女の禁断の恋
私が戸惑いつつも、晩餐会は始まった。

乾杯のあと、歓談しながらの食事が始まる。

「フロレンティーナ王女、お会い出来て
光栄です。」

トピアス王国のレオポルト王子が型通りの挨拶をする。

「こちらこそ、お会いできるのを楽しみに
しておりました。」

「フロレンティーナ王女、私もお会い
できるのを楽しみにしておりました。」

今度は右側のヴィーラント王国のアルトゥール王子に挨拶をされる。

食事中、右からも左からも話しかけられ、食べる暇もない。

「今宵は、フロレンティーナ王女が舞踏会に
出席されると聞いて楽しみにして
おりました。」

しなくていいのに…

「私と一番に踊っていただけますか?」

レオポルト王子の言葉に返事をする前にアルトゥール王子からも誘われる。

「いえ、私とぜひ最初に踊ってください。」

そんなの誰が最初でもいいのに。

「いえ、最初は、父と踊る事になってる
ので… 」

こうなることを見越していたクラウスは、国王陛下に約束を取り付けていた。
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