身代わり王女の禁断の恋
舞踏会が始まった。

国王陛下が私の所へ来ておっしゃる。

「フルーナ、わしと踊ってはくれんかね?」

私は、クラウスに言われた通り、にっこりと笑って答える。

「ええ、もちろん、よろしくってよ。」

私たちが踊り始めると、他の列席者も各々踊り始める。

「フルーナ、そなたもダンスが上手いのぉ。」

踊りながら、陛下が小声で話しかける。

私は笑顔を崩すことなく、

「クラウス仕込みでございますから。」

と答えた。

1曲目が終わると、私は、先ほどの2人に加えて、数人の男性に取り囲まれてしまった。

こんなに一度にダンスを申し込まれるなんて聞いてない。

クラウス、助けてよ。

私は、視線を彷徨わせてクラウスを探す。

すると、大広間の入り口付近がざわめいた。

何?
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