身代わり王女の禁断の恋
私が入り口を見つめていると、他の人たちの会話が聞こえた。

「アルフレート王弟殿下がいらっしゃった
そうだ。」

「え? いつもは晩餐会も舞踏会もお出でに
ならないだろう?」

「まぁ、母親の身分が身分だからな。
こういう場は、肩身が狭いんだろう。」

「それが、どうして突然?」

アルフレート王弟殿下って、王女殿下に毒を盛ったっていう?



私は、身を固くした。

何事もなければいいけれど…



ところが、人混みをかき分けて現れたのは…

ハール!?

なんで?


ハールは、いつものラフな格好ではなく、舞踏会に相応しい燕尾服にホワイトタイという出で立ち。

髪も、さらりと自然に流したいつものヘアスタイルではなく、きっちりと整えた正装に相応しい髪型。


どうしちゃったの?


戸惑う私のもとへ、ハールは真っ直ぐに歩いてくる。


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