身代わり王女の禁断の恋
そして、今日、使用人たちが話しているのを聞いた。

「今夜の晩餐会と舞踏会は、王女殿下の花婿
選びのためのものらしいな。」

「うちの王弟殿下の方が年かさなのにな。
やっぱり時期女王となると、いろいろあるん
だろうな。」

俺は、いても立ってもいられなくて、欠席と伝えたはずの舞踏会に初めて足を踏み入れた。

舞踏会に出ているのが、本物のフルーナならいい。

そう思ったけれど、各国の王子に囲まれているのは、俺のフルーナだった。

俺は、王子たちを無視してフルーナをダンスに誘った。

フルーナは、嬉しそうに俺の手を取ってくれた。

どんな理由があるのか分からない。

けれど、彼女だけは、誰にも渡したくない。

そう思っていた。
< 62 / 155 >

この作品をシェア

pagetop