身代わり王女の禁断の恋
私の言葉を遮るように叫ぶクラウスの声がした。

振り返るとクラウスが走ってくるのが見えた。

「クラウス… 」

ハールは私をハールの背中に隠した。

「王弟殿下、王女殿下をお返し
いただけますか。」

クラウスはハールを正面から見据えて言った。

「断る…と言ったら?」

「王女殿下誘拐の罪で捕縛致します。」

っ!!

「クラウス!!」

私は、ハールの後ろから叫ぶけれど、クラウスは全く意に介することなく、ハールに対峙している。

「クラウス、フルーナに何があったんだ?」

ハールの言葉を受けて、クラウスは私を睨んだ。
< 68 / 155 >

この作品をシェア

pagetop