身代わり王女の禁断の恋
私はそのまま、連れられていき、西の塔の地下牢に入れられた。

石造りで、暗くじめっとした床はとても冷たい。

11月も間もなく終わり。

毛布一枚で寒さをしのぐのには限界があった。

私が1人震えていると、コツ、コツとこちらに向かってくる足音が聞こえた。

アルフ?

会いたさのあまり、思い浮かぶのは、常にアルフの優しい笑顔だった。

けれど…

「大人しくしていれば、幸せになれた
ものを。」

そう言って現れたのは、クラウスだった。

「クラウス! どうして?
ここから出して。
私がいないと、あなたも困るんでしょ?」

私の予想に反して、クラウスの視線はとても冷ややかで、こちらの背筋がぞっとするほどだった。

「あなたがいた方が便利ではありますが、
困る訳ではありません。
ですが、今は、あなたを出して余計なことを
公に話されるくらいなら、いなくなって
いただいた方がいいんです。」

「そんな… 」
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