身代わり王女の禁断の恋
「王女殿下。」

クラウスは、再び私をベッドに寝かせてから話し始める。

「正式に、王女殿下のもとへ結婚の
申し込みが来ております。」

「えっ?」

「トピアス王国のレオポルト王子と
ヴィーラント王国のアルトゥール王子、
ルーペルト国のヴィルマー王太子が
王女殿下との婚約を望んで
いらっしゃいます。」

「いつの間に…
っていうか、王太子ってどういうこと?
私は他国へは嫁げないでしょう?」

だって、そんな話、全然…

「先日の舞踏会で、王女殿下と踊られた
皆様が、王女殿下をいたくお気に召した
ご様子で、特にヴィルマー王太子は、弟君に
王位を譲ってでも、王女殿下と結婚したいと
仰せだそうにございます。」

「えっ!?
私、舞踏会で他の国の王子と踊ったこと
なんてないわよ。」

私は、国内の者を招いての舞踏会しか出ていない。

だから、踊るのはいつもお父さまや公爵たち貴族とその息子たちばかり。
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