身代わり王女の禁断の恋
「実は、王女殿下が眠っていらっしゃる間、
王女にそっくりな娘に身代わりをさせて
おりました。」

クラウスは事も無げに言う。

「は!?
なんでそんな余計な事を。
私は一度でもそんな事頼んだ?」

「お言葉ではございますが、今、王女殿下が
お命も危うい状況にある事を、近隣諸国に
知られるわけには参りません。
王女殿下は、唯一の王位継承者なのです
から。
そのため、王女殿下が健在である事を
国内外に知らしめる必要がございました。」

「クラウス!
いい加減にしなさい!
王位継承者は、私だけじゃないわ。
私がダメでもアルフがいるじゃない。」

「………ですが、国王陛下の血を引かれる
のは、王女殿下のみでございます。」

「クラウス!!
私は言ったはずよ。
どこの国のどんな王子とも結婚はしないと。
忘れたの!?」

「私も申し上げたはずでございます。
王女殿下には、何があっても近隣諸国の
王子か大公または公爵家のご子息と
結婚していただかなければ、ならないと。」
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