初 恋 砂 時 計 。
1章 春

始業式

「唯月、早く準備しないと綾乃ちゃん来たわよ~!
今日始業式なんでしょ?」
「待って待って待って…!」

階段の下から母親の声がする。
私_伊藤唯月は慌てて階段を駆け下りて、玄関のドアに向かった。

「お母さんこれ変じゃない?大丈夫?」
「大丈夫だから早く行きなさい!
ごめんなさいね綾乃ちゃん、高校生にもなって…」
「いえ、私は全然!唯月の性格分かってますし、少し早めに来ましたから。」
「お待たせ綾乃、ほんとごめん…」
「唯月が朝バタバタするのはいつもでしょ?ほら、早くクラス表見に行こ!!」

小学校から一緒の親友・白石綾乃と一緒に学校に向かう。
私たちが通う城西(じょうせい)高校に向かうと、
すでに人だかりができていた。
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