初 恋 砂 時 計 。
「あぁ…ドキドキする…」
「それはみんな一緒だって!行くよ?せーので見よ?」

どうにかこうにか人の波をかき分けて、クラス表が貼ってある所まで着いた。
緊張で下を向く私に、綾乃が手を握ってくれる。

「「せーのっ!!」」

声を合わせて顔を上げて、自分の名前を探す。
私の苗字は伊藤だから、案外すぐ見つかった。

「A組…」

【2-A】と書かれた下には、一番最初に『伊藤唯月』と書かれていた。
綾乃の苗字は「し」だから…と、目線を下に辿っていく。


すると、同じくA組の中に『白石綾乃』の名前が見つかった。


「あ、あや…綾乃!一緒のクラス!」
「え?あ、ほんとだ!!」

私たちは顔を見合わせて、強く抱き合う。

「はー良かった、今年も唯月と一緒のクラスで。」
「私も…修学旅行とかもあるし、絶対綾乃とまわりたいもん。」
「嬉しいこと言ってくれるじゃん~!」

きゃいきゃいと喜びを爆発させながら、私たちはA組へ向かった。
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