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「あら?…あらあらあら…ねえ、真美、この男に何かされたの?」
「違うよ!この人は…」
「真美の彼氏です」
凛太くんの言葉にセナの眉毛がピクッと動いた。
「そう…彼氏さん?…渡辺凛太先輩ですよね?凄い〜そんな人気者と真美がカップル?アハハッ」
セナの乾いた笑い声。
いつもと違う笑顔でちょっと怖い。
思わず、凛太くんの方へ近寄る。
「あ!ダメ!真美、こっちに来て。そんな男が好きだったの?アンタ。さあ、帰ろう。用事は済んだんでしょ?」
え?え?え〜。
これから告白された余韻を持ちつつ、凛太くんと家まで帰る予定だったのに。
チラッと凛太くんの方を見ると凄い怖い目をしてセナを見ていた。
そしてそんなセナは私の腕を掴んで離さない。
ちょっと痛い。
「セ、セナ?…あの、今日は一緒に帰れないって話したよね?」
「うん!…けど、もう用事は終わったでしょ?早く帰ろうよ」
「えっとお、セナさん?今日くらい俺たちだけで帰らせてくれません?」
「あ〜!無理です。…さてと、真美!早く鞄持って歩いて!ほら早く!」
痛い、痛い。もう…。
…なんでこうなるの。