※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
「俺がはのんちゃんのこと好きな気持ちと同じくらい、はのんちゃんも自分のこと好きになってあげて」
「……むりよ」
そう言って、ユキの肩に埋めていた顔をあげ、私は涙に濡れた頬をくしゃりと綻ばせた。
「あんたの愛は重すぎるから」
すると、ユキが笑った気配が空気をかすかに震わせた。
「ふは、ごめんね。俺の愛は、はのんちゃんの分とふたり分だから重いんだ」
そうだね。あんたはいつだって、私の分も私のことを愛してくれていたんだね。
ユキに好きだってぶつかられるたび、あれだけ大嫌いで憎むことしかできなかった自分のことを、本当に少しずつかもしれないけど好きになれる気がした。
ユキが愛を教えてくれたのだ。
認めてもらうって、最強の魔法だ。
私はユキの体にしがみつく手に力を込め、ユキの温度を体に刻み込んだ。