※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
ふわりと落ちてきた思いがけない言葉に顔を上げれば、ユキがほんのり頬を染めて優しい眼差しで私を見下ろしていた。
「はのんちゃん、エンプロイドのこと調べてくれたんだね」
「え?」
「知ろうとしてくれたこと、嬉しい」
まるで花が綻ぶみたいに、頬を緩めるユキ。
眩しすぎて、もういっそ泣きたくなる。
だから、本音も氷が溶けるみたいにこぼれてしまうのだ。
「あんたのこと知らないことばっかりだったから……。もっと知りたいって、思ったの」
その時、不意に後頭部に手が回された。
反射的に顔をあげると、不意に額に触れるか触れないかと言うほどの淡い熱が落ちてきた。
「え……?」
その熱の正体が口づけだということに気づくのに、時間はかからなかった。