※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
まさか自分がこんな感情むき出しのかっこ悪い告白をするなんて。
驚いた反応を見せたきりユキがうんともすんとも言ってこなくて、恥ずかしさのあまりユキを責める。
「なんか言ってよ、ばか」
「だって、夢みたいで……」
あれほど愛されていることを気づかせてくれた本人が、いったいなにを言っているのだ。
ごしごし涙を拭うと、私はユキの手を握り、それから額に額を重ねた。
そして涙でぼやける視界で、ユキの綺麗な顔を見つめる。
「夢なんかじゃない。夢なんかにさせない」
「信じられないな……。君の隣にいられること以上に幸せなことがあるなんて知らなかった」
「こんなこと言わせた責任とって、私が死ぬまで私の隣にいて」
「はのんちゃんの愛、重くて過激だね」
くすりと笑ったあと、私の熱を感じるように額を優しくこすり合わせ、いっそう目を細めて微笑んだ。
「でも俺は、死ぬまでも、死んでからも、生まれ変わっても君の隣にいたい」
「私も」
愛することばかりで愛されることに慣れていないユキを、めちゃくちゃに愛してやりたい。
「ユキ。――ユキは私にとって、太陽の方向を教えてくれるひまわりだよ」
冬でも北風に負けることなく咲くひまわりは、ユキそのものだ。
するとユキは「ありがとう」と言って淡く微笑み、それから目をつむった。
「幸せだな」
温度のある声で囁き、そしてそのまま静かに眠りについた。