※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
すると大村さんが頬を上気させ、何度かつっかえながら、まくしたてるように言葉を並べていった。
「えっとね、花宮さん、こっ、この前すっごくかっこよかった。わ、私たち、もうすっごく憧れちゃって……!」
「え?」
大村さんの隣で、伊原さんもおさげを揺らしながらうんうんと何度も頷いている。
「いじめとかよくはないって思ってても、実際に声をあげることはできなかったから……」
予想もしなかった展開に、私は目を瞬かせた。
信じられない。こんなふうに言ってくれる人がいたなんて。
まるで初恋の男の子に声をかける小学生のような、そんなみずみずしい鼓動の音を聞きながら、私は口を開いた。
「ありがとう。私も、ふたりが話してるのいつも楽しそうだと思ってた。ふたりの好きなもの、私にも教えて?」