※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
やがてすべての授業が終わると、大村さんと伊原さんと教室で別れた。
廊下を駆け抜ける足取りがこんなにも軽い。
心がまるでふわふわ浮いているみたいだ。
校舎を出て、グラウンドを逸る歩調で歩いていた私は、ふと前方の校門前に車椅子に乗って私を待つ彼の姿を見つけた。
「おかえり、はのんちゃん」
彼が私の名前を呼ぶだけで、こんなにも胸がいっぱいになる。
地面を力強く蹴って愛おしいその姿に駆け寄るなり、私は勢いよく飛びついた。
「聞いてユキ。今日ね、友達ができた!」
Fin