※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。


けれど、ひまわりさんが躊躇している様子なのが、画面越しに文字だけで伝わってきた。


『でも全然人に見てもらえるようなものじゃないし……』

『どんな写真でもいいよ』


食い下がると、ひまわりさんは『それじゃあ、前に撮った写真を一枚だけ』と、そう言って一枚の写真を送ってくれた。


その写真がディスプレイに映し出された瞬間、俺は思わず息をのんだ。


「うわ、すご……」


それは、夕陽が海に沈んでゆく瞬間を切り取った、鮮やかなオレンジ色の写真だった。


夕焼けというものは知っていたけれど、空いっぱいがこんなにも彩度の高いオレンジに染まる光景を見たのは初めてだ。


『すごい……! こんな綺麗な景色がこの世にあったなんて知らなかった……。今、ものすごく感動してる』


昂ぶった感情のままにメッセージを送ると、いつになく時間を置いて返信が来た。


『そんなに喜んでくれるなんて嬉しい。はるくんがそんなに喜んでくれるなら久しぶりにカメラ、やろうかな。その時は見てくれる?』

『もちろん!』


こうして、ひまわりさんは、俺にたくさんの景色を見せてくれるようになった。

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