※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
『はるくんが幸せだったならよかった』
文字を打った私は、その指を折り曲げぎゅっと拳を握った。
……なんて卑怯で傲慢なのだろう。
私が傷つけたのに。
でもチャットの中だけでは、〝ひまわり〟でいる時だけは、嫌われたくない。
『ありがとう、ひまわりさん』
ユキの言葉を乗せた着信音は、いつもより優しい音に聞こえた。
私は机に顔を突っ伏し、スマホに表示されるユキの文字をそっと指で撫でる。
「背中、大丈夫だった……?」
あの時、言えなかった言葉を。
「助けてくれて、ありがとう……。ごめんね……」
そっと囁く。
……わかってる。全部八つ当たりだ。
ユキがエンプロイドだったから。
ユキのせいで、まわりから孤立することになってしまうかもって、それが不安で仕方ないから。