※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
『ひまわりさんがバスケしてる写真、見たいなぁ』
『学校に一眼レフ持っていけないよ〜!笑』
『あ! そっか!(^^)』
顔文字が笑っている。
今、こんなふうにはるくんは笑っていたりするのだろうか。
……かくいう私もつられて笑ってしまっているのだけれど。
はるくんと仲良くなったきっかけのひとつが、カメラだった。
カメラマンだった父さんの一眼レフで、いろいろな景色を撮るのが私の趣味だ。
笑われそうでこの趣味のことはまわりには言っていないけれど、はるくんには正直に打ち明けることができたし、私の写真を褒めてくれる。
箱入りなのか天然なのか、はるくんは少しだけ世間知らずなところがあって、私が見せた写真によって知る景色が多いらしい。
去年の夏に撮った一面のひまわり畑の写真なんて、こんな綺麗な場所がこの世界にあったんだと大袈裟なくらい感動してくれたものだ。