※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。


途端に、まるでひどいことを言った私をいなすかのような重いほどの静寂が覆い被さってくる。


――瞼の裏に焼きつく、傷ついたようなユキの姿。

薄暗い教室の中、電気を背にしたユキの表情は影になってあまり見えなかったけれど、でも容易に想像ができた。


……どうして。今までどんなことを言ったって、ふんわりとすべてを包み込むみたいに笑ってたくせに、どうして、そんなに傷ついた顔するの。


全部吐き出したはずなのに心が痛い。


息苦しさを感じたまま、うつろな視線をなにげなく彷徨わせた私は、ふと机の上に置かれているユキのものであろうスマホの存在に気づいた。

動画を見せたいなんて言っていたからきっと手に持っていたけれど、ここに何気なく置いた後回収しなかったのだろう。


スマホを忘れられたところで、この状況でどうしろと言うのだ。

多分、職員室に届けるのが一番手っ取り早い。


そのままにしておくわけにもいかなくて、緩慢とした動きでスマホを手に取った瞬間、電源ボタンを押してしまったらしい。

ぱっと、手の中の液晶に光が灯った。


そして私はふと、その画面に目を奪われていた。

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