※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。


『俺からもちょっと報告。実は転入することになったんだ』


ぽこんと軽やかな音を立てて表示されたメッセージに、私は思わず横たわっていた体を起こし、肘をついてうつぶせの体制をとる。


『転入?』

『そう。明日が転入初日。だから今、ちょっと緊張してる』

『大丈夫だよ!  はるくんならあっという間に友達たくさんできちゃうって!』

『ありがとう(^^) そうだといいな』

『家の近くの高校?』


知り合って間もない頃、地元が同じだという話題が出たことがあり、はるくんが近くに住んでいることは知っていた。


同じ高校だったらいいのにと、そんな微かな願いを抱きながらさりげなく探りを入れてみると、返事はすぐにきた。


『うん。若葉高校だよ』


若葉という単語が目に留まった途端、全部読み終わらないうちにガバッと勢いよくベッドから起き上がる。


若葉高校。

それはまさに私が通っている高校だ。

< 5 / 185 >

この作品をシェア

pagetop