※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
まさか、はるくんが同じ高校に転校してくるなんて。
こんな奇跡ってあるのだろうか。
何度もはるくんの声や容姿を想像したけど、どうしたって素敵なイメージしかできない。
文字からすらもその人柄の良さが窺えるのだ。
……はるくんにはこのこと、内緒にしておこう。
サプライズを仕掛けようと、そんな思いつきが心音を逸らせる。
突然私が現れたらどんな反応をするだろうか。
次から次へと溢れて止まらない幸せな思いの丈をぶつけるみたいに、彼と繋がることができるスマホを愛おしく胸に抱く。
高校に入学してからいろんな男子と付き合ってきたけど、みんな遊びで体裁のため。
本当に好きになったのは後にも先にもハルくんだけ。
画面の向こうの相手に片想いしているなんて、そんなのキャラじゃない。
だからこの恋心は、ひっそり大切に育んでいきたいのだ。