※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
私が嫌いな"私"と、君が好きな"私"
〝ひとり〟を恐れるようになったのは、いつからだろう。
背が伸びて目線の高さが高くなって、視界が広がっていけばいくほど、まわりの目を気にして私は臆病になっていった。
その理由は多分、人の心の中に潜む、〝ひとり〟を区別する意識を知ったから。
――私は昔から、内向的で友達を作るのが苦手なタイプだった。
だけど、自分らしく生きなさいという両親の教えの元、のびのび息をすることができていた。
それに、決して多くはなくても仲のいい友達は絶えることなくいたし、学校生活で人間関係について悩むことは特になかった。
……中学3年生になるまでは。
中3に進級した際のクラス替えをきっかけに、私を巡る世界はすべてが変わってしまったのだ。