※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
結局、ユキは大村さんたちと3人でグループになった。
設けられた話し合いの時間、私たちのグループは昼休みにしているようなコスメの話ばかりしていた。
私も貼り付けた笑顔で相槌を打つ。
けれど話は耳に入ってくるようで、頭の中をすーっと流れてもう一方の耳から出ていくばかり。
結局班長などの役割分担すらせず、まともな意見もひとつとして出なかった。
やがて話し合いの時間が終わると、担任に指名されたグループが話し合いの結果を発表していく。
適当な発表が淡々と終わっていき、授業の残り時間的にもこれで最後の発表だろうというタイミングでユキのグループが指名された。
「それでは発表を始めます」
もちろん、真剣に発表に耳を傾ける者なんて、ここにいるはずもない。
見てはいけないと思うのに、グループの方に体を向けながらも、ちらちらと横目で様子を窺ってしまう。