※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
恥ずかしさをごまかすように批難めいてつぶやき、そっと小指に向けていた視線をあげれば、目の前にしゃがみ込むユキと視線が重なった。
私と目が合った途端、ユキの目元が緩む。
ユキはやっぱりどこまでも甘い。
そんなふうに甘やかしてばかりいたら、つけあがっちゃうんだから。
「私のこと好きすぎるのよ、ばか」
口を尖らせ膝から視線だけを覗かせてじっと睨めば、ユキが大人びた微笑を滲ませた。
そして、不意に伸びてきた手に、あやすように頭をぽんぽんと優しく撫でられる。
「ごめんね、こんなに好きで」
「な、」
思わずぐうの音も出なくなる。
まさかそう返ってくるとは。
ユキってば私の扱いが上手くなっているみたいで、なんだか悔しい。