※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。





そしてパーティー当日になった。


今日はみんな授業中からうきうきで、教室中の話題はお遊び会のことでもちきりだった。


放課後を迎えると、制服を脱ぎ捨てた私たちはそれぞれおしゃれをして手土産を持参し、会場であるプリンスホテルへ向かう。


そして家のリビングふたつ分あるのではないかと思うほど広いパーティー会場の、これまた豪華な壁時計が19時を知らせるチャイムが鳴った頃。

「カンパーイ!」

舞香の掛け声に合わせ、お遊び会は開始した。


アルコールの入っていないシャンパンで乾杯しあい、豪華なディナーを食べ、わいわいとパーティーは進んでいく。


「舞香のドレス、めちゃくちゃ可愛い」

「ほんと?」


主役である舞香のまわりには人だかりができている。

まるでみんな舞香様のご機嫌取りをしているようだ。

私も遅れるわけにはいかない。


「さすが、舞香はピンクが映えるね。お姫様みたい」

「え~? はのん、言いすぎじゃない? はのんだってそのドレス可愛い」

「えっ、ありがとう」


舞香に褒められ、まわりのみんなからもうんうんと頷かれ、すっかり舞い上がる。


ネットで購入した青いドレスがこんなにウケがいいとは。

値ははったけどいい買い物ができたようだ。

< 80 / 185 >

この作品をシェア

pagetop