※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
それからパーティー始めの目玉である大規模なビンゴ大会が始まった。
舞香主催ということもあり、5等まである賞品はとても豪華だ。
大瀧の家来的なムードメーカーの澤が進行をし、くるくる滑車を回して玉を出して、数字を読み上げていく。
すると私のシートは見る間に開いていき、ほとんど無駄がないままあっという間に私が一番先にビンゴになった。
「あ、はのん、ビンゴじゃん」
一直線にビンゴが揃って胸が小躍りしたと同時に、隣に立っていた舞香が呟き一斉に視線がこちらへ向けられる。
「おー!? もうですか! 花宮がビンゴ一等です! 花宮はこちらへどうぞ!」
澤に促され、私は壇上に上がる。
そして1等の賞品であるパークランドのペアチケットを贈呈される。
「おめでとうございます! 圧倒的な早さですね!」
中学のいじめの経験からか、こうした視線を集める場は得意ではない。
多くの視線が私を嘲笑っているようで怖い。
けれど半ば強制的にマイクを持たされ、私は唇を震わせながらこの場の雰囲気に乗るように声を張る。
「いぇーい! 1位になれました! ペアチケットの相手の男性は残念ながらいないので、紹介待ってまーす!」
おどけたコメントに、どっと会場が笑う。
――よかった。
ほっとしていると壇上から下ろされ、次へ次へと滑車が回っていく。