※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
そしてビンゴはお開きになり、今度はカラオケタイムが始まった。
パーティーが始まってからずっと、ちょくちょくシャンパンを口にしていたせいだろうか。
少しして、私はトイレに行きたくなった。
みんなカラオケに盛り上がっていて気づかれそうにもないけれど、音を立てないようこそっとパーティールームを抜け出す。
それからどこかの王宮のような豪華なトイレで事を済ませ、パーティールームに戻ろうと足早に駆け寄った時。
「あれ、そういえばはのんは?」
「さあ? だれか男子といい感じなんじゃない? 今あの子、フリーだし」
「てかさ、さっきのビンゴのはのん、どうなの? ぶっちぎりで一等って」
室内から自分の名前が聞こえてきて、私は壁に身を隠した。
多分それは本能だったと思う。
この先に立ち入ってはいけないと頭の中で警告音が鳴った。