※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
※彼女がくれるいくつもの、
差し出す愛と、隠した秘密
◻︎ユキside
俺の好きな人は、
「おはよう」
今日も、空に浮かぶ太陽がかすむくらいにかわいい。
待ち合わせ場所に指定された駅の前で待っていた俺の元に駆け寄ってくるはのんちゃん。
そのあまりの眩しさに見とれていると、足を止めるなり彼女が小首を傾げた。
「どうかした?」
「や……私服姿もかわいいなって」
頬を緩ませ正直に告白すれば、「な、」と言葉を詰まらせ、ぽっと瞬間的に頬を赤く染めるはのんちゃん。
そんなところもたまらなくかわいいけど、照れ屋な彼女だから、これ以上かわいいと言うのは控えておく。
「っていうか、鼻、赤くなってるじゃない。またずっと待ってたの?」
はのんちゃんが背伸びをして、俺の顔を追及の眼差しで覗き込んでくる。
「そんなことないよ」
「うそ。そんなことある」
軽くいなしたはずの嘘が、呆気なく暴かれてしまう。
こういうところ、すごく鋭い。