僕の庭
「ああ、驚いた。すごい風だったわね……。
きゃっ、大丈夫!?」


佳穂がスカートを押さえながら笑い、みっともなく膝をついて座り込んだ僕を見て小さく悲鳴を上げた。


佳穂は慌てて僕の所に走りよってきて、倒れたキャンバスを立て直し、どうにも動けない僕に手をかしてくれた。


「ああ、すまない。君は大丈夫?」


「ええ。びっくりしただけよ」


僕は佳穂の手を借りて、どうにか椅子に座り直した。
それから佳穂は机を立て直し、散乱した画材を丁寧に拾い集めてくれた。
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