僕の庭
「どうかしたの?」


「僕はこっちを頂こうと思ってね」


僕は脇に抱えた梅酒の瓶を振って笑った。


「お酒、好きなの? あたしはお酒は飲めないわよ」


佳穂は困ったように眉をひそめた。


「違う違う、君はこっちだよ」


僕は瓶と一緒に抱えていたペットボトルを差し出した。
先日真崎さんがお土産に持ってきてくれた、さくらんぼのジュースだ。


「僕はジュースなんてのは苦手でね。君が好きならいいんだが」


「わあ、ありがとう。美味しそうだわ」
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