僕の庭
「あら……」


「お……」


さぁっと風が吹き、花びらが舞い、僕と佳穂の湯飲みに浮んだ。


「こういうのは風流だと言うんだ。これ位、分かるぞ」


「ふふ。そうね」


少し得意気に言った僕を、佳穂はおかしそうに笑った。


「あたし、こんな楽しいお花見初めてだわ。こんな綺麗な桜も初めて」


「大したことない、普通の桜だぞ。名所に行ったらもっと綺麗なものが見れる」


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