僕の庭
「春・夏・秋・冬、僕のそばで咲いてくれたのは君だよ。


いい加減、こちらを向いてはくれないかい?


なあ、花保理」


びくり、と彼女の体が打たれたように震えた。
ゆっくりと振り返った彼女の瞳には、涙が溢れていた。


「気がついて、いたの……?」


「気がつかないとでも思ったのかい? 花保理」



花保理。
僕の愛しい妻よ。








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