パーフェクトラブ〜激愛されて困ってます〜
よく寝た気がする。

って、あれ?
なんか体が重い。身動きをとろうと思うのにとれない。私、金縛りにでもあったの?

意識だけは、ハッキリしてるのに......
これはいったい何?

そういえば雷斗はどうしてるのかな?

2人、抱き合ってたシーンを思い出してしまう。

「雷斗~っ、どうしよう。私から身を引かなきゃいけないのはわかってるけど、好き過ぎて離れたくない。雷斗~っ、会いたいよ~」

涙が溢れだして止まらない。

雷斗との思い出が走馬灯のように蘇ってきた。

誰かが涙を拭いてくれてる。

「ありがとう」

「思っていること、いつも俺に伝えてよ。美結雨の話ならどんな話でも聞きたいから」

優しく頭を撫でられて、嬉しくてよけい涙が溢れてくる。

「雷斗~っ、ありがとう」

「美結雨、愛してる」





あ~、よく寝た。

寝返りをうつと、そこにいるはずのない雷斗が寝ていた。

い、いつの間に?
雷斗は私の家の鍵を持っているから、入ることは可能だけど昨日は、若い女性と一緒だったから私のところに来ないと思ってた。

「雷斗っ」

愛しすぎて涙が出てしまう。あなたの全部が欲しい。でもわかってる。私との将来を考えていることはないだろう。雷斗はまだまだ可能性があるし、会社の社長だ。雷斗の隣にいても釣り合う女性じゃないと......

「雷斗~っ、愛してる」

雷斗の髪を撫でながら、私は自分の涙を拭いた。

「さて、ご飯を作ろう。今、私ができることを精一杯やろう。雷斗を好きになったことに後悔はないし、ただ見てるだけで幸せだった私に雷斗と付き合うという奇跡が起きたんだから、神様にも雷斗にも感謝しないとねっ」

本当に感謝してる。人を好きになることを教えてくれて。苦しくて、切なくて、でも楽しくて嬉しくて。雷斗を愛せて、本当に幸せだ。

私は雷斗の寝顔を少しの間見つめていた。

「私、独り言多すぎっ。あっ、また喋っちゃった」

自分の口を抑えながら、キッチンへ向かった。
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