パーフェクトラブ〜激愛されて困ってます〜
雷斗side

俺は、美結雨のマンションに着いた。インターホンを鳴らしたが応答がなかった。心配になり、合鍵で部屋に入った。

部屋は、真っ暗だった。

電気をつけ、美結雨の姿を探したがいなかった。寝室へ行くと、ベッドで寝ている美結雨がいた。ベッドに座り美結雨の髪を撫でた。泣いた跡があり、俺のマンションに来たのだと察した。

「美結雨ごめん。心配かけて」

自分の行動に腹が立つ。美結雨を泣かせたくないのに、いつも不安にさせてしまう。美結雨の中で年の差を気にしているのはよくわかる。

好き過ぎて離れたくない。
俺は美結雨を抱きしめながら一緒に横になった。

しばらくすると美結雨が目を覚ました。だが、まだ寝ぼけているらしく、目は開けているが動かない。俺は抱きしめながら様子を見ていた。

「雷斗~っ、どうしよう。私から身を引かなきゃいけないのはわかってるけど、好き過ぎて離れたくない。雷斗~っ、会いたいよ~」

そう言いながら泣く美結雨。
俺は優しく涙を拭いた。

「ありがとう」

「思っていること、いつも俺に伝えてよ。美結雨の話ならどんな話でも聞きたいから」

美結雨の髪を撫でていると、愛しくて堪らない。

「雷斗~っ、ありがとう」

「美結雨、愛してる」

美結雨は、また眠ってしまった。
俺はそっと美結雨にキスをし、眠りについた。


気持ち良く目が覚めると、美結雨が俺の髪を撫でながら独り言を言っていた。

「さて、ご飯を作ろう。今、私ができることを精一杯やろう。雷斗を好きになったことに後悔はないし、ただ見てるだけで幸せだった私に雷斗と付き合うという奇跡が起きたんだから、神様にも雷斗にも感謝しないとねっ」

美結雨......
俺は幸せものだ。俺こそ神様と美結雨に感謝してる。寝たフリをしていたが美結雨に感動してしまって肩が震えているのが自分でもわかった。

「私、独り言多すぎっ。あっ、また喋っちゃった」

そう言って部屋を出ていった。

美結雨の行動が可愛くて、思わずふっと吹き出してしまった。いつもポジティブで俺の幸せを1番に考えてくれている。

本当は俺が美結雨のことどう思っているのか?不安なはずなのに.......

俺はこんなにも愛されているんだ。自然と涙が出た。しばらくボーッとしていたが、俺は自分で涙を拭き、美結雨を絶対幸せにすると心に誓った。



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