パーフェクトラブ〜激愛されて困ってます〜
ウインドウショッピングをしながら、お店をウロウロ。今日は、テンション、ガタ落ちだ。

お兄ちゃんからの連絡があってから気分は最悪……時計を見ると、お昼をちょっと過ぎたところだ。

そろそろ行きますか。私は兄のところへ向かった。



「いらっしゃいませ」

オシャレなCafe。店内から綺麗な女性スタッフがやって来た。

「美結雨ちゃん、いらっしゃい。巧海さんが待ってるよ」

「花鈴音さん…お久しぶりです。相変わらず、綺麗ですね」

「ふふっ、ありがとう。カウンターでいいかしら?」

「嫌だって言ってもダメですよね?」

「わかってるじゃない」

花鈴音さんが微笑んで、カウンターに案内された。

「美結雨ちゃん、いつものでいいかな?」

「今日は、あまり食欲なくて……消化のいいものを……」

「わかった。言っておくね」

私の兄は……この店のオーナー。

小橋 巧海(こばし たくみ)
40歳。
185cmある長身。
くっきり二重の目が印象的。
引き締まった身体。

妹の私が言うのもなんだが、イケメンで本当にモテる。自慢の兄だ。

その兄の奥さんが花鈴音(かれん)さん。
39歳。
170cmのスレンダーで男女問わず人気がある。
とにかく綺麗なのだ。

この2人に比べて、私は……言うまでもない。

それにさっきから、視線が痛い。

こんなオシャレなCafeに似合わない私がいるのだから……

私だって早く帰りたいよ。

はぁ〜っ。


「美結雨……」

キッチンから出てきたのは

「お兄ちゃん」

優しく笑うお兄ちゃん。その顔に店内にいる女性は、目をキラキラさせている。

兄は、気にすることなく
私に話しかける。

「具合悪いのか?」

「違うよ。ただ食欲がないだけ」

「これ、俺特製のおかゆ」

「ありがとう」

「温かいうちに食べろ」

「うん。いただきます」

私はひと口食べた。

「美味しい〜」

自然と笑顔になる。

「やっぱりその顔、いいなぁ。こっちまで幸せになる」

「ごほっ、っ。ちょっ、ちょっとお兄ちゃん
何言ってるの?」

兄にこんなこと言われたら
妹でも、照れるし……
本当にバカ兄だ。




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