君の隣でみる夢
「お願いね」
永遠は柚葉の母にぺこりと頭を下げて柚葉の部屋へ急いで向かった。
部屋の扉をノックして中へ入るとそこにはベッドの上で頭を抱えて肩を震わせ泣いている柚葉がいた。
永遠はゆっくりと柚葉に近づく。
「柚葉」
そう静かに声をかけてからベッドに座り柚葉の震える体を抱きしめた。

告白した日の柚葉を抱きしめた時のぬくもりが蘇る。

あの時よりも体が小さくなってしまった柚葉は簡単に自分の胸に収まってしまう。
永遠は柚葉の体を抱きしめて柚葉から見えないようにして泣いた。

声を押し殺して次々に伝う涙を自分の手で拭いながら泣いた。
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