君の隣でみる夢
着替えを済ませた柚葉が玄関で待つ永遠のもとへ急ぎ足で向かってきた。
「行こうか」
永遠の言葉に柚葉は永遠の腕に自分の手をのせた。
永遠が微笑みかけると柚葉の瞳が再び輝きを増した。
永遠は柚葉の手を握り返し玄関の扉を開けた。

永遠も柚葉の母も、柚葉の目の輝きを見て懐かしい感覚を覚えた。表情はなくても今までとは目が違う。
柚葉のそばにずっといる二人にはすぐに気づく変化だった。

永遠は柚葉と手をつなぎながらいつもの道を歩いた。そしていつものように公園に立ち寄る。
「ごめんな。時間作れなくて。少しでもこうして時間作れるようにするから、いっぱいデートしような。」
永遠の言葉にも柚葉は反応しない。永遠の口元をじっと見ている。
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