君の隣でみる夢

柚葉が怖がらないように夏子は正面からゆっくりと近づいた。
永遠は柚葉と手つなぎながら「大丈夫」と柚葉の顔を覗き込む。
柚葉は自分の腕を永遠に巻き付けるようにして夏子に近づいた。
夏子はおびえる様子の柚葉の姿や自分が知らなかった柚葉の苦労を知って涙を流している。
夏子の目の前まで来ると柚葉は永遠の後ろへ回り込んだ。
「柚葉」
夏子は涙を流しながら柚葉を見る。少しして永遠の背中越しに柚葉は夏子の様子をうかがっていた。
「柚葉。同級生だよ。友達なんだ。」永遠が柚葉の腕をひいて少し自分の体の横に柚葉が並ぶようにした。
柚葉は様子を窺うように見つめていた。
「ひさしぶり。柚葉。」
涙を流しながら自分に話しかけてくる夏子に柚葉は体の震えが止まっていた。
そして興味を示したかのようにじっと見つめている。