君の隣でみる夢
柚葉はもちろんそんなこと望まなかった。永遠のせいと思ったことは一度だってない。自分がしたくてしたことで、右耳が聞こえないことの不自由さよりも責任を感じてすべてをあきらめる永遠の方が見ていて痛々しかった。

部活に復帰してほしいことや責任を感じないでほしいと何度も永遠に話をした。それでもあまりにも自分を責めてばかりでつらそうな永遠の気持ちが少しでも前を向いてくれたらと、最後は永遠のいうことを聞くしかなかった。

柚葉が学校に復学してからは毎日柚葉に永遠は付きっきりだった。はじめのころは今以上にただまっすぐ歩くだけでも転んでいた柚葉の腕を、永遠は絶対に離さなかった。



柚葉は心に誓っていることがあった。
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