君の隣でみる夢
「彼女の命を危険にさらしてまで新しい命を望みはしません。」
永遠は優しいまなざしで柚葉を見つめながら言った。
「出産は健康な女性にとってもどうなるかわからないだろ?それでいいのか?」
柚葉の父が永遠を見る。
「はい。今の彼女と一緒に過ごす時間が俺にとってはかけがえのない幸せなんです。もちろん、俺たちの子供を見てみたかったけど、二人でも幸せになれます。現に今、幸せですから。」
「永遠君・・・」
言葉を失う柚葉の母に永遠が微笑む。

「子供のことは今すぐに答えを出さなくてもいいだろ。ゆっくり時間をかけて考えよう。」
柚葉の父の言葉に永遠は頷かなかった。
永遠の中で子供のことはもうあきらめることを決めているようだった。
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