君の隣でみる夢
「永遠の名前の由来は前に話したでしょ?」
「あぁ」
「永遠は本当に父さんにそっくりで。表情もしぐさも。興味を持つものも。小さなあなたに父さんも私もメロメロだったんだから。かわいかったのよ。出かけるときは絶対に父さんに抱っこをせがんで。夜眠るときは母さんとくっついてないと眠れなかったんだから。」
永遠が恥ずかしそうに目をそらすと母は優しく見つめたまま、何かを想い悩み実家を訪ねた息子に言葉をかけた。
「誰かの生まれ変わりなんかじゃなかった。永遠は永遠。私たちの大切な命。いつまでも愛おしくて、いつまでも守りたい。あなたが生まれてくれて私たちは本当にたくさんの幸せをもらってるのよ。」
母の言葉に永遠の揺れていた気持ちは固まった。

その後帰宅した父と、母と永遠の三人で昼食を食べた。
いつもは柚葉にあれこれ食べるようにとすすめる永遠。
その日は永遠の皿には父と母から次々によそわれるおかずで山盛りになっていた。
< 273 / 362 >

この作品をシェア

pagetop