君の隣でみる夢
北海道旅行から一か月後。

「きゃーっ!」
夜中、柚葉の叫び声に永遠は跳ね起きた。
二人で暮らし始めてから、初めての柚葉の夜のパニックだった。
「柚葉?」
柚葉の体を抱きしめて背中をさする。
柚葉は全身にびっしょりと汗をかいていた。
「どうした?」
永遠が柚葉の顔を覗き込む。
柚葉は涙を流しながら肩で呼吸をしている。
「柚葉」
永遠は自分の方を見るように柚葉に声をかける。
柚葉が自分を見ると永遠はゆっくりと呼吸をするように伝えた。

永遠に抱きしめられながら、柚葉はゆっくりと呼吸を繰り返す。
「大丈夫。大丈夫。」
しばらくして柚葉が落ち着くと永遠は柚葉をお風呂へ誘った。
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