君の隣でみる夢
永遠は急ぎ足で柚葉の実家に向かっていた。
玄関を開けるとそこには柚葉が立っていた。
「おかえりなさい」
その姿に永遠はすぐに全身を見る。
「大丈夫か?」
「?」
とうの柚葉は何を言っているのかわからない様子だった。
「永遠君」
永遠は柚葉の父に呼ばれて別室へ向かった。
「覚えてないんだ」
「え?」
「昨夜のこと、柚葉は全く覚えていないんだ」
柚葉の父の言葉に永遠は不安がさらに膨らむ。
「永遠君、柚葉は大丈夫なんだろうか」
柚葉の父も心配そうだ。
「病院に連れていきます」
「そうしてくれ。夜勤明けで大変だろうから私たちが連れて行こうか?」
「いえ。大丈夫です。俺も気になって眠れないんで」
永遠は柚葉の実家から一度家に帰宅し、すぐに柚葉をかかりつけの脳外科へ連れて行った。
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