キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「私は、夏の暑い日差しに………体調を崩してしまい。
駅で休んで迎えを待てば良かったのですが………
つい無理をして、タクシー乗り場まで歩いたんです。
でも無理は良くなくて………階段の上でフラりと…………。
落ちる!と思った所までは、覚えてたんですけど………。
その後は……病院のベッドの上で。
後で聞いた話しによると。
隣にいた千尋さんが腕を引いて下さり、落ちずに済んだとか。
でも………千尋さんが代わりに落ちてしまって………。
それでも持っていた携帯で救急車を呼んで下さったみたいで………。
夏の暑さのせいだと思っていたのですが………
実は脳梗塞だったみたいで………。
連絡が遅ければ、命もあやしかったと。
本当に……千尋さんには感謝してもしきれません。
私が退院するのに時間がかかり
落ち着いて連絡先を調べた時には………
学校を卒業されてました。
直ぐにこちらにお邪魔したのですが、お留守が続き。
手紙にも書かせて頂きましたが
先日ご近所の方に、唯さんがこちらにお住まいで
千尋さんはご結婚されたとお聞きしたので
突然ですが、お手紙を送らせて頂きました。
本当にその節はありがとうございました。
千尋さんにも、ぜひお逢いしてお礼を言いたいのですが………。」

びっくり。

唯達が聞いていた内容と違ったから。

尋ちゃんは、お父さん達を携帯で撮っていて足を踏み外したって言ってた。

けど本当は、人助けをしてたんだぁ。

尋ちゃんらしい。

和也さんも同じ事を思ってたらしくて

目が合ったら、二人して笑ってしまった。
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