キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
再び飛び退こうとする唯を

ぎゅっと抱きしめ直して

「だから!
唯の居場所はここだって。」って………。

でも………だって…………。

「先生…………………見た……………よね?」

………………………………………。

「う~ん。
さすがにこれじゃ…………誤魔化されないかぁ~」って。

当たり前!!

恥ずかしい!!

嫌~

涙を浮かべる唯に。

「見てはないけど…………
ちょっとだけ…………見えた。」

「嫌!」

恥ずかしくて、顔を先生の胸に押しつけて隠れる。

「あまりに長いから………様子を見に行って。
声をかけたんだけど………返事がないから………
中に入った。
うつ伏せで、縁に頭を預けていたから寝てるのかと
揺すってみたんだけど………起きないから抱き上げた。
後は慌ててバタバタしてたから………
俺もよく覚えてない。
見たといえば見たんだろうけど……
あまり良く覚えてないよ。」

先生が言う事は、良く分かる。

もしも先生が倒れていても…………

唯だってするもん。

言いたいことも

言われた事もよく分かるんだけど…………。

恥ずかしさは拭えないの。

「だって……………。
ふぇ……………ん……………ヒック…………。」

何が悲しいのかわかんないけど……

やっぱり涙が出る……………。
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