キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
考えてみなかったけど…………。

そうだね。

唯だって…………

悠君が側にいてくれるって思いながら…………。

『離れて行かない?』

『一人ぼっちにならない?』っていう不安は……。

いつも心の何処かにあるから。

悠君にも、その気持ちがあって不思議はない。

もしかしたら………それが不安に繋がって。

ちょっとした変化でも

『心変わりしないか?』ってヤキモチになるのかも。

「あの……………サインします………。
それと………………。
預かってもらわないで…………大丈夫です。
これから二人で…………出しに行こうと思います。」

「えっ?!」

驚くのは、悠君だけで。

お兄ちゃんと叔父さんは…………

唯が『出す』って言う事が分かっていたように

『ウンウン。』と頷いてくれてたの。

「悠君。
帰ってから、いっぱい話し合おうね。
でもそれは………
家族になってからでも大丈夫だから
出しに行こう。
他の人からしたら、あべこべの順番だけど。
これが唯と悠君、二人の家族の始まりだから。
悠君。
唯を奥さんにして…………家族になって下さい。
唯を………悠君だけの唯にして下さい。」

そう言ってサインした。

『伊藤唯』

この名前を書く事も……………

これが最後なんだ。
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