キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
パチッ。

目を覚ますと……………

尋ちゃんと………和也さん。

唯と悠君のベッドだけど…………

悠君はいないの。

「悠君…………は?」

泣きすぎて重たい目を無理やり開けて聞くと。

「お兄ちゃんは…………幼稚園。
説明をしに行った。
お姉ちゃん、起きれる?
お兄ちゃんが………
もし起きて、動けるなら………
お姉ちゃんにも、幼稚園に来て欲しいって…………。
どうする?
行けそう??」

行って…………何を聞くの?

昨日と同じ…………死んじゃうって話し?

何度聞いても…………変わらないんだよね??

またポロポロ涙が溢れてくる中。

「唯ちゃん。
辛い時に………酷いことをいうけど…………ごめんね。
唯ちゃんの苦しみが………俺に分かる訳ない!って怒られるかもしれないけど……。
唯ちゃん…………お兄さんの奥さんだよね?
今…………唯ちゃんの一番大切な人が
一番辛い中、一人で説明に行ったよ。
唯ちゃんを苦しめて………申し訳ないって言いながら。
奥さんだから………。
何も出来なくても…………側にいてあげたら……………
お兄さん、とっても心強いと………思うよ。
ホントに………辛い時に………ごめんね。
尋は………唯ちゃんに言えないから…………。
俺と尋も…………側にいるから。」

奥さん。

……………側にいる。

……………悠君を……………支えるのは…………唯。

泣いて…………甘えてたら…………ダメだよね。

悠君が一番辛いんだから。
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