キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
いつものように、ソファーに座る。

ただし、膝でなければ。

隣でもない。

端っこと、端っこ。

悠君の隣に居たら…………絶対甘えてしまうから。

「ねぇ、悠君。
唯が…………別れて何処に行くつもりだったと思う?」

「………………三人の所か、尋ちゃん?」

いつもだったら、泣きついていたと思う。

それか………

園長先生か美香お姉ちゃん。

お義父さんの所っていうのもある。

けど…………

今回は、行くつもりなんてなかった。

「いかないよぅ。
だって、唯は悠君の奥さんだから。」

「だったら…………何処に?」

この答えは………いけない事だって分かってる。

でも、さっき浮かんだのは…………

「悠君との思い出の場所をもう一度見て……………
死のうって……………。」

「………ッ!!!!」

脅しとかヤケクソじゃないの。
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